単色3Dプリンターで複数色刷りに挑戦

3月 3rd, 2014

単色3Dプリンターで、2色造型は可能か!?そして、その手順は!?

今回は、単色(シングルヘッド)3Dプリンターで、二色での造型が可能なのか、検証してみたいと思います。実験に使うプリンターは、民生用のローエンドプリンター”Cube2″。今回は、二色刷りが可能かどうかの実験ですので、モデルデータは、単純なものにします。読者様の再現性を高める為に、CADは、フリーソフトの123D Designを使います。

モデルデータは、筒に穴を掘った単純なデータ(下図参照)です。下の茶色の部分と上の青い部分に分かれており、高さは、各色とも25mm(合計高さ50mm)に設定し、直径は、40mmです。穴の深さは、47mmに設定しています。

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カートリッジは、下図のように、純正のカートリッジを使用します。

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さて、ここからの手順ですが、まずは、下の茶色の部分を造型します。よって下部分のみのデータをstlデータとして出力します。

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次に、上部分のみのデータを作成し、stlデータとして出力します。

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次は、3Dプリンター側の調整です。通常下図のように、PRINTとSETUPの二つの選択肢から始まり、出力する際は、PRINTの方に進みますが、今回は、液晶画面右のSETUPへ進みます。

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進むと下図のような画面がでてきますので、NEXTを押すと、

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下図の画面になります。ここで、液晶右側にSETGAPというのがあります。

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このSETGAPの設定は、プリンターのノズルと造形台との距離関係を設定する為に使用するもので、通常、購入後に最初に設定する項目になります。

SETGAPをタッチすると、下の画面がでてきます。

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ここでは、Zの高さが-0.63(mm)になっています。再度、微調整を行い、Zの高さは、下図のように-1.62に調整しました。

これで設定完了。

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今度は、PRINTの画面に入り、保存したデータ名、ここでは、dualcolor1-1を選択します。

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完成!!

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って、ここまではいたって普通。普通すぎます。勝負は、ここからです。

まず、造型したものを天板ごと外します。ここで、造型物を天板から外してはいけません。上の部分をこの上に積み上げるには、XとYの座標が完全に一致する必要があります。

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さらに、ここから3Dプリンター側を調整します。もう一度、SETGAPの画面にいきます。

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すると、最初に設定したZのレベルまで天板部分が上昇していきます。

ここは、自動で天板部分が上昇してしまいますので、さきほど、天板部分を取り外したのは、ヘッドとの衝突をさける為です。

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ここで、下部分の造型物の高さが25mmだったので、さきほど、設定した1.62mmにこれを足して、26.62mmにZレベルを調整します。こうすることによって、造型をスタートする位置を従来よりも25mm下げることができます。通常この方法を使うと空中にフィラメントを積層するので、うまくいきませんが、今回は、下にすでに造型物があるので、OKです。これで準備万端のはず!!!

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次にフィラメントを青色に変更します。

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いざプリントへ!!

造型スタート!!うん、うまく寄り付いた感じがします。

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ん?・・・んんんん??ちょっと・・・・

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完全にずれている・・・全然うまくいってない・・・なぜ!?

 

しばし、意気消沈・・・・なぜ・・・・

 

あっ、しまった・・・・・・・よくよく考えてみると・・・・単純な計算ミスでした・・・・。

一回目に設定したZレベルは、マイナス1.62だったから、25mmあげると、23.38mmに調整しないといけなかった。気を取り直して、Zを23.38に再調整。

そして、再トライ!!今度こそ、完璧なはず!!!

寄り付きはよさげ。さっきよりも造型物に近い!!これは期待大!!

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造型スタート!!

おっ、きてる。。。これはきてるんじゃないか。。。

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そして・・・・で、できた・・・・。というかできるんですね、シングルヘッドで二色刷り!!

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今回は、二色で実験してみましたが、理論的には、Zのレベルが許される限り、何色でも色を変えて造型することができることができることがわかりました。

ただし、これは、あくまでZ方向についてのみ許される複数色刷りであって、例えば、左右に色を塗り分けて造型することはできません。左を造型後に右側を造型するとなると、Zのレベルを天板真上に設定しなければなりませんが、そうすると最初に造形したものに、ヘッドが緩衝してしまいます。

よって我々が出した結論は、

”Z方向においては、シングルヘッドの3Dプリンターでも複数色刷りは可能”

となりました。

それでは、ご興味のある方、お試しあれ。


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