3Dプリンター 2色印刷/3色印刷の原理・方法・やり方

10月 3rd, 2014

今回のコラムでは、3Dプリンターで2色や3色で印刷、造型する方法についてまとめてみたいと思います。1色刷りなら、どうなっているかイメージがわくのですが、特に初めて3Dプリンターを購入する時は、2色や3色ってどうやって使い分けるのか、今いちわかりづらいようですので、簡単に原理・方法についてレポートしたいと思います。今回は、3DsystemsのCubeproDuoで説明したいと思います。

1色刷り用のシングルヘッドでも2色刷りや3色刷りができるというコラムを以前書きましたので、もし、ご興味があればご一読ください。

さて、では本題にいきましょう。まず、通常2色印刷をする場合、材料がでてくるノズルが2つ必要(下の画像のように)です。3色ならノズルは3つ必要です。色分けは基本的に装着するカートリッジの色で決まります。混ぜて中で色を作るというのは、現状、低価格体の3Dプリンターではほとんどないと思われます(一部あります)。
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さて、上記までは、機械側のお話でしたが、ここからはデータ側の問題です。まず、作りたいデータを、色分けしたいところで、二つに分割してやる必要があります。出来上がったものを分割してもいいですが、複雑な形状になればなるほど、後から分割するのは結構手間です。単純に上下に分割して、下半分と上半分を別々の色にするという程度であれば、簡単です。

STEPを一つずつ確認していきます。まず、作りたいものを考え、どことどこの色を分けるのかを決定します。今回は、参考までにこちらで公開しているデータを使用して考えたいと思います。

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このデータは、交通標識(直進のみ)の3Dデータです。矢印の部分とそれ以外の部分の二色のデータになっています。説明上、少しきつい色合いに設定しました。但し、このグラフィック上での色分けはほとんど、というか全く意味がなく、造型への影響はありません。どんな色合いがいいか、確認する為くらいのものです。

さて、このデータを二色で作るには、まず、このデータ自身が二つのデータで構成される必要があります。分けたい部分で綺麗にデータを分けなければなりません。
一つ目のデータ:
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二つ目のデータ:
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このように色分けしたい部分でデータを分けて作る必要があります。さらに、重要なことは、一つ目のデータの座標系、及びその寸法が、二つ目のデータと整合していることが必要です。例えば、矢印についていえば、一つ目のデータを作成した座標位置において、その矢印をくり抜いた状態を作成し、二つ目のデータで矢印を作成する際には、一つ目のデータを作成した座標位置で、くり抜かれた矢印と同じ大きさの矢印を作成してやることが必要です。表現が難しいですが、二枚の絵を重ねた時に、ちょうどピタリと一致させる必要があるわけです。
※もっとも、これについては、ASSEMBLE(アッセブリ)機能の付いたソフトであれば、あとからCAD上で組み立てて・・・という操作ができますが、そういった機能がなく2色、3色刷りを行う場合は、この作業が必要になります。

そして、作成されたデータを別のSTLファイルで保存します。組み上げた状態でSTL出力すると、一つの立体として判断され、あとで色分けができなくなります。ここでは、一つ目のデータと、二つ目のデータをそれぞれSTLで保存します。

ここまで来れば、あとは、簡単です。ここから先は、お使いの3Dプリンター機器に付属するソフトウェアの操作によるので、少しやり方が違うと
思います。ここでは、Cubeproでのケースです。

まず、Cubeproのソフトウェアを開きます。このソフトウェアは、3DsystemsのHPからダウンロードできます(無料)。これがないと3Dプリンターは動きません。

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このソフトを開くと上の画像のようなソフトが立ち上がります。次にデータの読み込みですが、上の画像の左上に黄色で囲ったところにある機能で、データを取り込むことができます。拡大します。
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ここで、赤枠で囲った部分の機能(Open model assemble)を使ってデータを取り込みます。通常は、その左にあるOpen Modelというのを使ってデータを取り込みます。この違いは、取り込むデータが組み立てられる必要があるかないかによります。例えば、全く関係のない二つのデータは、単純に一緒に作ってしまいたいという場合は、左側のOpen Modelから取り込めばいいです。座標系をきちんと合わせて、作成した座標系のまま、データを取り込みたい場合に、赤枠で囲った機能を使います。それで取り込むと作成時の座標系でデータが配置されます。左側のものだとデータどうしが互いに干渉しないよう離してデータ取り込みが行われます。

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さて、上記の方法で、データを取り込むと画像上のようになります。ここで、1つ目のヘッドで作成する色と2つ目のヘッドで作成する色分けを行います。上の画像の右側に1つ目のヘッドと、2つ目のヘッドの色が設定されています。これによって色分けを行い、あとは、Buildボタンを押して最終データを作成し、3Dプリンターへ、、、という流れになります。なお、仮にここで設定した色と3Dプリンター側に装着した色が異なっている場合は、もちろん装着されたカートリッジで印刷されます。結局、ここでの作業は、1つ目のヘッドと2つ目のヘッドで作る部分を指定しているだけです。色が実際と違う指定をしていても、装着するカートリッジと割り当てたヘッドさえ間違っていなければ、ここでの色間違いは、問題ないです。
※色が違うよーというメッセージは返ってきますが、無視して進めて問題ないです。ABSとPLA等材料指定が違うと加熱する温度に影響する可能性があるので、これについては、注意が必要です。

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画像上は、MakerbotのReplicator2Xで作成した2色での造型です。原理は基本的に上記と同じです。

というわけで、二色印刷の手引きでしたが、まとめると

➀2色、3色用の3Dプリンターを用意。
➁作りたいデータを座標や寸法に注意し、二つに分割し、それぞれSTLで出力。
➂それぞれのデータをどのノズルから出る材料で作りたいのか指定。
➃出力。

以上です。ご購入される前、されたあと、ご参考になれば幸いです。


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