3Dプリンター造型テクニック~第一回:Zのレベル設定~

3月 14th, 2014

 

前回のレポートでは、単色3Dプリンターで二色刷りなんていう、ちょっと応用編をご報告しましたが、そんなイレギュラーな使い方よりも、もっと基本的なテクニックからレポートしていきたいと思います。

そもそも3Dプリンターって、誰でも簡単に使えるものなのかということですが、機械的な操作については、その通りだと思います。マシニングセンターや旋盤などの工作機械を操作して、ものづくりを行うよりも、確かにはるかに簡単です。機械操作は誰にだってできると思います。(もっとも、精度や強度、量産といった面では、工作機械には遠く及びませんが。)

しかし、実際には、機械を動かす為に必要となる3Dデータの作成がまずは大きな障壁となります。2Dプリンターを使う為に、ワードやエクセルなどで作成される文書(データ)があるように、3Dプリンターには、CAD等で作成された3Dデータが必要になります。この3Dデータの作成は、ワードで文書を作成するように簡単に作れればいいのですが、その何十倍も大変な作業が必要となります(もちろん作りたいデータの形状によって、その大変さは様々です)。3Dデータの作成方法については、下記のリンクより123D Designのマニュアルを公開していますので、そちらをご参照ください。

3Dデータの作り方:123D Designマニュアル

データさえ作り上げることができれば、あとは3Dプリンターへデータを読ませて造型するということになります・・・・が、実はここでも、また若干のテクニックが要求されます。これは、ちょうど、2Dプリンターで印刷した際に、2枚同時に紙が吸い込まれてミスプリントをしてしまうような感じです。紙を1枚しか入れなければこういったトラブルは未然に防ぐことができます。3Dプリンターの場合は、技術がまだ未成熟なところが多々あり、ユーザー側で色々と調整してやることが必要です。逆に、ここをうまく調整できれば、それなりに綺麗に造型することができます。産業用の高価格帯のものはさておき、ここでは、民生用の低価格3Dプリンターについてレポートしていきたいと思います。

前置きが長くなり恐縮ですが、今回は、Zのレベル出しについてレポートしていきたいと思います。

今回、使用するプリンターは、Cube2を使用します。折をみて、他のプリンターについてもレポートしていきたいと思います。

Zのレベル出しというのは、造形テーブルと樹脂が出てくるノズルとの距離関係の設定のことです。この設定はテクニックというよりも初期設定時に設定するもので、最も基本的な事項ですが、綺麗に造型する上では、最も重要な項目です。この設定で、綺麗に造型できるかどうかの80%くらいが決まるのではないかと思います。それくらい重要です。

設定方法ですが、まず、SET UPの画面に進みます。

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次に、以下の画面が現れますので、NEXTへ。

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すると、SET GAPという項目がスクリーンにでてきますので、これをタッチします。

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すると、自動的にテーブルが、現在設定されている水準まで上昇します。うまく設定できていれば、ノズルとテーブルがほぼひっつくような水準で止まります。

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さて、どの水準ならOKなのかということですが、機器のマニュアルにも指示がありますが、標準的な紙がギリギリ入る水準が求められます。標準的な紙の厚みは、0.07mm程度ですから、紙がギリギリ出入りできる隙間というのは、おそらく0.1mm程度だと思います。ここは、紙を実際に挟んでみて手作業で確認するしかありません。紙が抜けないほど、テーブルを上げるとダメですし、スカスカに抜ける状態でもダメです。さて、この0.1mmというのは、Z方向への積層ピッチと同等です。よって樹脂がノズルから出てきて積層するだけの余裕をここに持たせる意図があると思われます。

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テーブルを上下させる為には、下の写真の画面にある矢印マークを直接タッチし、操作します。設定できた時点で、チェックマークをタッチすると設定された水準が保存され、造型時にその水準から造型がスタートするようになります。

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さて、この設定は、一度設定してしまうとしばらく再設定は不要ですが、うまく造型できない場合は、再設定するなり、確認をするといいでしょう。何度も使用している内に、少しずつ精度がずれていきます。

ところで、SET GAPの右横にあるLEVEL PRINTED PADというのは一体何なのでしょう。

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実は、これも造型テーブルとノズルとの距離関係を確認するものです。これをタッチすると、下の画像のような画面になります。左右にアイコンがありますが、左をタッチすると反時計回りでテーブル上をノズルが動き、テーブル四隅とノズルの距離関係がわかります。

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下の画像は四隅を測定している時の1点目のところです。

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ここでも紙を入れてテーブルとノズルの距離関係がわかり、再設定ができますが、テーブルの角度自体を調整できているわけではなく、単純にZ方向のみの調整です。四隅を確認すると多くの場合、場所によってノズルとの距離が異なっています。一点目を合わせても、次の点でギャップがあり、そこを設定すると前に設定したポイントではズレが生じてしまいます。いずれにしても、ここでは、テーブルの水平度が確認できるわけですが、その水平度自体はこのプリンターでは調整できないようです(水平度を調整できるプリンターもあります)。テーブル自体がたわんでいるのか、プリンターそのものがたわんでいるのか不明ですが、ここの設定自体あまり意味がないかもしれません。操作マニュアルにも記載が見当たりませんでした。SET GAPを使ってきちんと設定するしか方法がないと思われます。この点は、また追って調べてみたいと思います。

では、第一回はこのあたりで。


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