3Dプリンター、造型物固定の為の「のりづけ」のコツ

1月 19th, 2015

今日は、3Dプリンターで造型物を作る際に使うノリについての記事を書きたいと思います。3Dプリンターでものを作る際、造形物が造型中に剥がれないように、ノリを使うことがあります。もっとも、造型テーブルにヒーターが付いているケースではノリ付けは不要ですし、テーブルに専用のシートを張る場合も使うことはありませんが、3Dsystems社製の3Dプリンターをはじめ、ノリで造型物を固定するというのは、比較的多く採用されている方法かと思います。

さて、このノリ付けですが、のり付けの量は、どの程度が適切なのかというお話です。今回は、3Dsystems社製のプリンターでのケースを例に書きたいと思います。ノリは、造型中に造型物が剥がれないようにすることが目的ですが、あまりに多くを塗りすぎるとノズルから出てくるフィラメントをノズルに巻き込んでしまい、綺麗に積層されないということが起こります。画像下は、のりを塗りすぎて積層に失敗しているものです。

図6

この純正のノリは、画像下のように、先端部分がスポンジのような素材になっており、先端中央にノリが出てくる穴が開いています。絞り出すと、中央にある穴からノリが出てくるので、それをそのまま塗ってしまいそうですが、この方法は、あまりお薦めしません。この純正ノリは、比較的粘度が高いようでテーブルに塗布してから引き伸ばそうとしても一様に引き伸ばしづらく、綺麗に塗ろうとして、何度も塗布している内にノリを塗りすぎてしまいがちです。ノリを塗りすぎると、もちろんノリがもったいないのは言うまでもありませんが、接着しすぎて完成した造型物を剥がしにくくなることに加え、何よりノズルから出てくるフィラメントがうまくテーブルに積層されず、ノズルがフィラメントを巻き込んでしまいます(画像上)。

図4

では、どうするのがいいのか、ということですが、色々試して今のところ、うまくいっているのは、のりを絞り出さずに、ノリを付ける方法です。この純正のノリのケースですが、使わない時は、下向きにして保管しておくと、画像下のようにスポンジ部分にノリが溜まります。スポンジ部分がノリで飽和状態のようになり、さかさまにして保管していても、キャップをしている限り漏れてくることはありません。

図2

この状態で、ノリをさらに絞り出すことなく、テーブルに対して、スポンジ部分を強く当てず、軽く塗布します。塗る回数は、軽く1回から2回程度です。スポンジ部分の先端表面に溜まったノリだけを使うイメージです。テーブルの色が白で分かりづらくて申し訳ないですが、画像下は塗り方がよくない例です。ノリによる起伏ができており、塗りすぎです。ちなみに、これで造型したのが、上で掲載した造型失敗画像です。

図5

画像下は、2本の純正ノリですが、左側は、ノリが溜まった状態で、右側は、溜まった状態からテーブルに塗布した後のものです。塗布した右側のノリは、スポンジ部分の色が少し薄くなっています。のりを絞り出さずに表面についているノリだけでちょっとだけ塗っただけです(但し造型エリアにまんべんなく)。これで造型すれば、きちんと造型物は固定されます。

図3

但し、上記の内容は、材料にPLAを使用する場合です。ABSで造型する場合は、この純正のノリをたくさん塗っても材料の収縮する力の方が大きいようで、うまく固定されずに反り返りが発生します。ABSを使用した場合のテーブルと造型物との固定の方法については、また別途、ご紹介したいと思います。ちなみ、参考までですが、この純正ノリ、意外と高いので、市販されている一般のノリを使用して造型を試みたこともあるのですが、うまく固定されたり、しなかったりでした。また、市販の一般的なノリは、塗布して洗い流すのが少し面倒というのもあり、現在は、純正ノリを基本的には使っています。

あと、造形物を剥がす時に、接着しすぎて剥がせないということがあるかと思いますが、基本的には、お湯にしばらく浸すことで造型物が剥がれやすくなります。確か、これについては、メーカーの取扱説明書にも記載されていたと記憶しておりますので、剥がせない場合は、お湯に浸してみるといいと思います。但し、造形物ごとまるまる長時間浸し続けると樹脂がふやけてしまうケースがありますので、ご注意ください。

ではでは、今日はこの辺りで。


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