Cubepro トラブルシューティング「機械が動かない」

7月 30th, 2015

今回は、3Dsystems社の3DプリンターであるCubeproについてのトラブルの紹介と解決方法について紹介したいと思います。Cubeproを使っていない方には、特に参考になることもないかと思いますので、この記事はスキップしてよいかと思います。

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CubeProは、CubeXの後継機として開発されたものになるかと思いますので、CubeXでも同じ症状になるかもしれません。これまで、問題なく、使用していたのですが、思わぬところに落とし穴があって、STLをCubePro用のデータに変換後、Cubeproにデータを読み込ませると、CubeProが「Verifying file…」という表示(画像下)をした後、画面が暗くなり、データが読み込まれない状態になりました。今回は、この症状の対処方について紹介したいと思います。

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Cubepro用にSTLを変換するソフトウェアと言えば、下記画像のソフトウェア(Cubepro)ですね。このソフトウェアを、CAMと呼ぶ人もいますが、日々、いわゆるCAD、CAMを使って、NC工作機械による切削加工を行う筆者としては、これをCAMと呼ぶには少し抵抗がありますが、Computer Aided Manufacturingといえば、「まあ、確かにそうなのかな」という気にもなります。

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さて、このソフトウェアは、たまに、バージョンアップがあり、画面上にアップデートの通知がくるので、時間がない時は、スキップして、時間のある時にたまにアップデートをかけていたのですが、今回、久しぶりにバージョンアップしておこうと思い、バージョンをアップしました。問題なくアップデートできたわけですが、色々新しくなっていて少し改善されているように感じました。

特に積層過程を確認できるようになっていたのは、評価したいポイントでした。また、サポート材の位置も視覚的に表示されるようになり、事前チェックが可能になりました。以前は、作ってみて初めてサポート材の位置が分かるという問題があり、別の方法でサポート材のチェックをしていたので、これは助かります。

さて、このアップデートが、この後、問題を引き起こした原因となりました。
アップデート後、STLデータを変換し、Cubeproへ読み込ませると、画像下の画面(Verifying file…)が表示され、その後、画面が真っ暗になり、機械が動きません。

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何が行ったのかよく分からず、もう一度、読み込ませても同じ症状になり、その後、何度やっても同じ症状に。故障かな?と思い、別のCubeproにも読み込ませて見ましたが、同じ症状。さすがに同時に2台の故障はないだろうと思い、原因を究明する為に以下を行いました。

1. ファイルの変換ミスの可能性を探ってみる為に、元データから、もう一度STL出力を行い、Cubepro用にデータ変換。

結果: 同様の症状が発生し、これによる解決は不可でした。

2. CADソフトウェアに問題があって、そもそもSTLの変換自体に不具合があるのではないかと思い、他のソフトウェアでSTL出力したもので、再度トライ。

結果: 同様の症状が発生し、CADソフトウェアの問題ではありませんでした。

3. Cubepro固有の問題なのか特定する為に、他のプリンターでも動かないのか確かめる為、他のプリンターでトライ。

結果: 他のプリンターでは、問題なく、動作しました。 ⇒ データそのものの問題ではないことを確認。問題は機械側とあたりをつけました。

4. Cubeproの機械そのものの不具合にしては、同時に2台で同じ症状は、変だと思い、以前、STLからCubepro用に変換したデータで、以前は、きちんと動いていたデータでトライ。

結果: きちんと動作しました。

データにも問題なく、機械にも問題なさそうなことが分かり、この時点で、???の状態になり、直接メーカーに問い合わせしました。アメリカとの時差によりやり取りは深夜から早朝にかけてと眠かったものの、メーカーからは、変換済みデータが送られてきて、これで試すようにと指示が来たので、そのデータでトライ。結果、またも同じ症状になり、その旨、報告し、原因が特定されないまま、画面に表示されるメッセージの内容や写真を送りながら、やり取りしましたが、日本では朝になり、退社したのか、返信が来なくなってしまいました。

さて、どうしようか、ということで、自力での解決を模索。以前は、動いていたのに、急にこうなったのは、今回のCAMソフトのアップデートが原因ではないかと考えました。ただ、それだと他のユーザからも多くの問い合わせがあるはずで、バージョンアップで対応されるはずなので、この線は薄いはずと考え、やはり機械側に何かしらの原因があるはずと、Cubepro(機械側)を立ち上げ、Set Up画面を確認。ここで設定できるもので問題解決できそうものなど、有りそうもないなと思いながら、色々見ていくと、Advancedという項目にFirmwareというのを見つけました。

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そういえば、Firmwareのアップデートはしたことがなかったな、と思いながら、これが原因の可能性もありそうだと考え、ファームウェアをアップデートすることにしました。ファームウェアのアップデートは、Wifiに接続してプリンターからメーカーのサーバーに接続するか、USBでデータをダウンロードしてプリンターに読み込ませるかの二つの方法があります。

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今回は、Wifi接続でやってみました。
まず、Wifiの画面でWifiを選択し、暗号キーを入力し、プリンターをネットに接続します。

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次に、Advancedの画面でFirmwareを選択すると、自動的にメーカーのサーバーへアクセスされます。

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アクセスされるとdownload fileという画面に切り替わります。ここでのダウンロードには1時間ほどかかりました。

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ダウンロードが完了すると画像下の表示が表れますので、液晶画面横にあるボタンを押します。

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ボタンを押すと画面に画像下の表記が表れます。Critical Updateということで、「重要なアップデートなので、電源を切らないで下さい」とのことです。ここは気をつけましょう。

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画像上の状態で、少し待つと、画像下が表れ、正常にアップデートできた旨が表示されます。
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さて、これで、もう一度、データを読み込ますと、通常通り読み込みに成功。問題の原因は、ファームウェアのアップデートにあったようでした。CAM側のソフトウェアのアップデートをかけた場合、機械側のファームウェアもアップデートを行う必要があるようで、同様の症状がある方は、プリンターのファームウェアの更新をしてみると解決されるかと思います。

CAM側のソフトウェアをアップデートしない場合は、ファームウェアをアップデートしなくても動くようですが、CAM側をアップデートした場合、ファームウェア側もアップデートしないと動かない状態になるという結論になりました。

ということで、途中のプロセスも参考になればと思い、少し長い記事になりましたが、これで解決が図られると幸いです。

ではでは、今回は、こんなところで。


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